マックス・クーパー、エルッカ、モードセレクターらが出演 ── 地中海の未来を踊らせる「ortigia music」が始動

2025年7月31日から8月3日にかけて、シチリア島・シラクーザの歴史的街区オルティージャを舞台に、電子音楽フェスティバル「ortigia music」が開催される。本フェスティバルは、2014年から続いてきた「Ortigia Sound」の遺伝子を引き継ぎつつ、より未来志向かつ洗練されたダンスミュージックの祭典として新たなスタートを切る。

文化と神話が息づく街に、前衛と祝祭の音が響く

ローマ神話とギリシャ神話双方の伝承に名を残すオルティージャ島は、シチリア東南部に位置するシラクーザ旧市街に属する。歴史の厚みと日常の営みが共存するこの地は、音楽フェスティバルの舞台として極めて特別な磁場を持つ。今回のリニューアルにあたっては、地元当局の支援のもと、新体制のもとでフェスの再構築が進められてきた。

アーティスティック・ディレクターには、Ghostly Internationalやオストグット・トンなどとともにPR業界を牽引してきたロザリー・ド・メイヤーが就任。マックス・クーパー、エルッカ、モードセレクター、DJパイソン、DJスティングレイ313、シュティフィ x ヴァージニア、タチアナ・ジェーンなど、現在進行形のエレクトロニック・シーンを代表する顔ぶれが名を連ねる。

陸・海・街 ── 三層構造で展開するフェスティバル

開幕は7月31日(木)の夜、「Antico Mercato」でのマックス・クーパーによるAVライブからスタート。サウンドと科学、映像の融合を試みる彼のライブは、フェスの先鋭的なビジョンを象徴するアペリティーヴォとなるだろう。

8月1日(金)以降は、以下の三つの会場でプログラムが展開される。

  • Lido Stage(昼):地元レコード店「Malamore」との共催によるビーチステージ。地域と国内の新進アーティストに焦点を当てる。
  • Boat Parties(昼):1日2便のクルーズ・パーティ。初日はモードセレクターとアンドレア・ノルマーノ、エルッカとサルヴォ・ミチェリが航海する。
  • Epipoli Stage(深夜):23時から翌朝7時まで。DJパイソンやバンブノウらが真夏の夜を染め上げる。

2日目の8月2日(土)には、アントワープのDJトリオ“ビジュー”、パリ・ブレイクス・シーンの旗手タチアナ・ジェーンらが船上を支配。陸上ではモードセレクターやDJスティングレイ313、ナイト・フライトがラインアップされ、オイディプス神話の風が吹き抜ける海岸に熱狂の夜が訪れる。

最終日にはロックド・グルーヴによるディスコ・ロングセットのボートパーティ、そして「Varco 23」でのクロージング・パーティへと続く。シュティフィ x ヴァージニアによるパンバーグ直系のハウスグルーヴが、祭りの締めくくりを飾る。

再生と継承 ── フェスを支える三人のキープレイヤー

今回のリニューアルには、異なる分野から集まった三人のキープレイヤーの存在がある。

  • アレッサンドロ・リッチ:シラクーザのサッカークラブ「Siracusa Calcio」の現会長。2019年の観光をきっかけに街の可能性に惹かれ、地域振興とスポーツ文化の両立に尽力している。
  • ステファン・ギュロフ:テニス界で著名な選手をマネジメントしてきたTop Five Management代表。近年は食と文化の領域にも事業を広げ、ミシュランシェフのブランディングも手掛ける。
  • ロザリー・ド・メイヤー:ベルギー・アントワープを起点に、世界中のアーティストと数々のプロジェクトを成功に導いてきた戦略家。現在は自らのスタジオ「Studio De Meyer」を率い、Siciliaの文化再発見にも力を注ぐ。

新しい地中海の音楽地図へ

2025年は「ortigia music」にとっての転換点であり、新たなヴィジョンの出発点でもある。「過去の過ちを繰り返さず、次世代に継承可能なフェスティバルを築く」── その理念のもと、地中海に浮かぶ歴史都市に未来型の音楽体験が芽吹こうとしている。

詳細・チケット情報は公式サイト(www.ortigiamusic.com)まで。

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