
アジアを代表するアーティスト、ジャクソン・ワンが新作アルバム『MAGICMAN 2』を発表した。セルフプロデュースによって制作された本作は、彼のキャリアにおいて最も個人的で、かつ芸術的な挑戦とも言える一枚である。
本作では、これまで彼自身の暗い感情を覆い隠してきた象徴とも言える“MAGICMAN”という仮面を脱ぎ捨て、内面の葛藤と再生を音楽で描き出している。構成は「悲嘆の4段階」になぞらえられており、否認、喪失、痛みの自覚、そして癒しという感情の流れが4つのチャプターを通して描かれる。ヒットを狙うのではなく、すべての楽曲が自身の実体験に基づくパーソナルな表現として結晶化されている点が、本作最大の魅力であろう。
アルバムの解禁と同時に公開されたフォーカストラック「Made Me a Man」のミュージックビデオも話題を呼んでいる。ミニマルなサウンドと率直なリリックが印象的なこの曲は、『MAGICMAN 2』のエモーショナルな中核を担い、過去の自分に別れを告げるようなラストピースである。映像では、孤独と混乱を経て明瞭さにたどり着くまでの心象風景が丁寧に描かれている。
ジャクソン自身も「『MAGICMAN 2』は、まさに私自身の“日記”のような作品」と語る。心身ともに極限まで追い詰められた時期に、唯一の解放手段が音楽であったこと。そしてその光と闇を受け入れ、昇華させたこと。それこそが、本作の本質を物語っている。
先行シングルの「High Alone」は世界22の国と地域のApple Musicで1位を獲得、「GBAD」はYouTubeで3,200万回を超える再生数を記録するなど、その影響力は既にグローバル規模となっている。南アジアのスーパースター、ディルジート・ドーサンジとの共演曲「BUCK」や、感情の揺れを繊細に描いた「Hate to Love」も、彼のアーティスト性の進化を証明する仕上がりである。
ジャクソン・ワンは、音楽のみならずファッション、パフォーマンス、カルチャー全体において、今もっとも注目すべきグローバル・アイコンの一人である。2022年のアルバム『MAGICMAN』はBillboard 200で15位、Top Album Salesチャートでは3位を記録。翌年のワールドツアーは全公演ソールドアウトとなり、史上初めてCoachellaに3度出演した中国人ソロアーティストとして名を刻んだ。
また、Instagramフォロワー数1億人超、NikeおよびJordanのクリエイティブディレクター、Louis VuittonやCartier、Hennessyといった名だたるブランドのグローバルアンバサダーを務めるなど、その影響力は音楽にとどまらない。まさに時代の空気を映す象徴的存在である。
『MAGICMAN 2』は、そんなジャクソン・ワンの“内なる声”に耳を傾けるための、もっとも誠実な扉である。

■リリース情報
ジャクソン・ワン『MAGICMAN 2』
配信リンク:https://teamwang.lnk.to/MAGICMAN2
レーベル:TEAM WANG records / 88rising Music
リリース日:2025年7月18日
ジャクソン・ワン公式SNS
- YouTube: Jackson Wang Channel
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