あのジェーン・バーキンが綴った“ただひとつの声”──『ジェーン・バーキン日記』、日本語版ついに刊行へ

2023年、惜しまれつつ76歳でこの世を去ったジェーン・バーキン。女優、歌手、ファッションアイコン、セルジュ・ゲンズブールの恋人、3人の娘たちの母 ── 時代を象徴しながらも、どこか捉えきれないその存在が、いま「声」となって帰ってくる。

河出書房新社より、彼女が生前唯一残した自伝的作品『ジェーン・バーキン日記』が、2025年11月25日に刊行される。原書『Munkey Diaries』(上巻)および『Post-Scriptum』(下巻)を完全収録した全2冊構成。加えて、クオバディスとコラボしたオリジナルノートブック、10枚組ポストカードを特製函に封入した限定版仕様となる。すべてがこのセットでしか手に入らない“永遠の宝物”である。価格は税込19,800円。

少女から母へ、アイコンから一人の女性へ。60年分の「日記」が語る真の姿

「おかしなことだけれど、私の日記さん、あなたは私の唯一の親友」──

11歳で始まった日記は、人生の節々で彼女の苦悩と歓びを受け止めてきた。ケイト・バリーの死や、セルジュとの愛、母としての喜びと迷い。撮影現場の緊張、ファッションと政治へのまなざし、そして日本への想い ── 本書には、ジェーン自身が後年読み返しながら書き加えた膨大な注釈とともに、肉声そのものが刻み込まれている。

ミュージシャン・野宮真貴は「この日記には、彼女の人生そのものが書かれている」と語り、作曲家・中島ノブユキは「日記の中に“いつもの”ジェーンがいる」とコメント。作家・村上香住子もまた「時代の空気を映す出色の日記文学」と称賛する。

“フレンチシック”の裏にあった、不安、愛、怒り、そして希望

表舞台の華やかさの裏で、ジェーン・バーキンはたえず揺れていた。自らの容姿や才能への迷い。恋人や娘たちとの距離。老いと病への不安。そうした感情が隠さず吐露される一方で、彼女は常に表現に、愛に、他者への行動に真摯であり続けた。

チェチェンやサラエヴォ、東日本大震災後の日本にも足を運び、死刑廃止運動にも参加。彼女の社会活動が、日記の中では息づいた言葉としてあらわれる。

さらに本書では、彼女自身が描いたスケッチやコラージュ、写真などの図版も多数収録。日記の中にある手描きの文字、家族と過ごしたバカンス、ワインのラベルでつくったコラージュ……ページをめくるごとに、ジェーンの呼吸が聞こえてくるような、親密な空気が立ちのぼる。

クラフトブックとしての美しさ ── ナチュラル&シックな装幀にも注目

装幀は、生成りクロス地に深い紺の箔押しという、フレンチシックを感じさせる気品ある佇まい。2本のスピン(しおり紐)や、丸タック式の特製函など、細部までこだわりぬかれた造本は、まさに“手元に置きたいアートピース”である。職人の手による仕上げが、ジェーンの美意識と響きあっている。

豪華特典:クオバディス製オリジナルノート & 封筒入りポストカード10枚

クオバディス × ジェーン・バーキン ノートブック
 ジェーンが実際に使用していた日記帳をベースにした特別デザイン。
オリジナルポストカードセット(10枚)
 兄アンドリュー・バーキン撮影の貴重な家族写真や、ジェーンのドローイングなどを収録。

いずれも書籍購入者限定でしか入手できない、完全オリジナルグッズとなっている。

等身大の彼女に出会う「本当の一冊」

本書は、あの“ジェーン・バーキン”という大きな名前の奥にいた、ひとりの女性の声を伝えてくれる。その声は、映画や音楽を超えて、読む者の心にそっと寄り添ってくる。誰よりも自由で、誰よりも不安だった彼女が、真っ直ぐに綴った“言葉の風景”である。

📘書誌情報
書名:『ジェーン・バーキン日記』(上巻『Munkey Diaries』/下巻『Post-Scriptum』)※分売不可
著者:ジェーン・バーキン/監訳:小柳帝
ブックデザイン:大倉真一郎
価格:税込19,800円(本体18,000円)
発売日:2025年11月25日
ISBN:978-4-309-29519-0
URL:河出書房新社 書誌ページ

※仕様・デザインは変更の可能性あり。購入・予約については各書店にお問い合わせを。

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