
日本ジャズ界の第一人者にして、ベースのマエストロとして知られる井上陽介が、キャリア初となるソロプレイ作品『Walking Alone』を2025年6月26日に〈Days of Delight〉よりリリースする。
本作は、コントラバス1本による完全なるソロ作品。ジャズ・スタンダードはもとより、スティーヴィー・ワンダー「I Wish」やジョン・レノン「Imagine」、さらにはエリック・サティ「ジムノペディ第1番」やバッハ「無伴奏チェロ組曲」まで、ジャンルを横断した名曲群が並ぶ。いずれも井上の手によって、温かく、そして深く芳醇な音色をたたえた“もうひとつの物語”として再生されている。
録音は、東京・南青山にある岡本太郎の旧アトリエで行われた。モダンアートの巨匠が創作を重ねた空間に響くベースの独奏は、静けさと躍動が交錯する音の風景を生み出している。
本作について、〈Days of Delight〉ファウンダーでありプロデューサーの平野暁臣は、「井上陽介を純度100%でキャプチャーした、まさに“ベース表現のショーケース”」と評し、「濃縮された旨味成分が、コントラバスという楽器の魅力を存分に伝えてくれる」とコメントを寄せている。
日本ジャズ界の背骨を支え続けて
井上陽介は1964年大阪生まれ。大阪音楽大学在学中からプロとしての活動を開始し、1991年にはジャズの本場・ニューヨークに拠点を移す。ロイ・ハーグローヴやハンク・ジョーンズといった世界的巨匠たちと共演を重ね、ジャズの最前線を体験した数少ない日本人プレイヤーのひとりである。
2004年に帰国後は、日本のトップミュージシャンたちの信頼を集め、第一線で活躍。渡辺香津美や大西順子らとのセッションはもちろん、Superfly、JUJU、佐藤竹善といったポップスアーティストのサポートも手がけ、ジャンルを超えた存在感を放ってきた。
そんな彼が“ただひとりで歩く”という選択をした本作『Walking Alone』。これは、蓄積と実践の果てにたどり着いた、まさにキャリアの集大成とも言うべき一枚である。

【作品情報】
アーティスト:井上陽介
タイトル:『Walking Alone』
発売日:2025年6月26日
レーベル:Days of Delight
品番:DOD-055
定価:2,750円(税込)
『Walking Alone』収録曲
- All Blues
- Giant Steps
- Summertime
- Confirmation
- Imagine
- Gymnopedies No.1
- 無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード
- I Wish
- Magic Touch
- 遠州つばめ返し
- Softly as in a Morning Sunrise
- Sunflower
- Things Ain’t What They Used to Be
(2025年4月15日、東京にて録音)