
作詞家・松本隆の活動55周年を記念したカバーアルバム『でもしあわせなんて何を持ってるかじゃない何を欲しがるかだぜ~松本隆を唄う~』が、京都の書店・ホホホ座浄土寺店より、2025年5月下旬に発売される予定である。アルバムタイトルは、伝説のバンド「はっぴいえんど」の1stアルバムに収録された楽曲「はっぴいえんど」の歌詞の一節から引用されており、松本作品への深いリスペクトがにじむ。
中止されたライブ企画から生まれた「記録としての作品」
本企画の原点は、2020年に構想された松本隆50周年記念ライブに遡る。京都での開催を目指し、会場や出演者も決定済みであったが、新型コロナウイルスの影響によりイベントは中止を余儀なくされた。出演予定であったミュージシャンたちの想いを無駄にしないため、「ライブの代わりに作品として残す」かたちで企画が再始動。結果として、今作は“記録”でありながらも、時を経てなお色褪せない松本作品の普遍性を照射する、豊かな解釈の集積となった。
豪華かつ異色のアーティスト陣
参加アーティストは、ジャンルや世代を超えた精鋭たち。山本精一、テニスコーツ、ふちがみとふなと、長谷川健一、AUX、mmm、池間由布子、吉田省念、ベーブルース(ベートルズ&青木隼人)、ohhkiといった顔ぶれである。ミキシング/マスタリングは宇波拓、デザインは倉茂透が手がけ、全体を丁寧に仕上げている。CDは限定1,000枚、フィジカルの価値を再確認させる仕様だ。
林静一によるアートワークと、秘話小冊子を封入
アルバムジャケットは、はっぴいえんど1stアルバムでも知られる林静一による描き下ろし。さらに、松本隆本人から聞いた制作エピソードをまとめた小冊子『喫茶店で松本隆さんから聞いた秘話』も封入される。CDでありながら、ジャケットはシングルレコードサイズで制作されており、部屋に飾っても映える仕上がりとなっている。
トラックリスト(原曲とアーティスト名)
- かくれんぼ(池間由布子)/原曲:はっぴいえんど(1970)
- 空飛ぶ林檎(吉田省念)/原曲:財津和夫(1985)
- 水彩画の町(ベーブルース)/原曲:大滝詠一(1972)
- 抱きしめたい(ohhki)/原曲:はっぴいえんど(1971)
- 終着駅(長谷川健一)/原曲:五木ひろし(1992)
- さよならアメリカさよならニッポン(AUX)/原曲:はっぴいえんど(1973)
- ガラスの林檎(ふちがみとふなと)/原曲:松田聖子(1983)
- 乱れ髪(山本精一)/原曲:大滝詠一(1972)
- 紐育物語(テニスコーツ)/原曲:森進一(1983)
- メロンのため息(mmm)/原曲:山瀬まみ(1986)

商品情報
- タイトル:でもしあわせなんて何を持ってるかじゃない何を欲しがるかだぜ ~松本隆を唄う~
- 発売日:2025年5月下旬予定
- 価格:3,500円(税込)
- 限定枚数:1,000枚
- ご予約・販売ページ:https://hohohozazaza.stores.jp/items/67e9015262289ba1d28dc59b
松本隆が紡いだ言葉とメロディに、現代の個性派ミュージシャンたちが新たな息吹を与えた本作。過去と現在が響き合う、濃密な一枚である。