J-POPの裏側にこの人あり ── 佐橋佳幸の仕事を辿る永久保存版『佐橋佳幸の仕事 1983-2025 EN』が発売

J-POPの歴史を語るうえで、この名前を外すことはできない。佐橋佳幸──トップ・セッション・ギタリストにして、アレンジャー/プロデューサーとしても数々の名曲を手がけてきた職人肌の音楽家である。

そんな彼のキャリアを総覧し、その「仕事」を一曲ごとに紐解いた書籍『佐橋佳幸の仕事 1983-2025 EN』が、リットーミュージックより2025年5月20日に発売された。

名曲の裏にあった“ギター”という声

本書には、佐橋がギタリストとして、またサウンドメイカーとして深く関与した40曲がセレクトされている。小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」、藤井フミヤ「TRUE LOVE」、槇原敬之「もう恋なんてしない」、Kinki Kids「硝子の少年」、山下達郎「人力飛行機」──タイトルを並べるだけでも、まさにJ-POP史そのものである。

その一曲一曲について、本人インタビューを通じて制作当時の裏側や心情が丁寧に語られており、いわば「楽曲解体新書」としても楽しめる構成となっている。執筆は音楽評論家の能地祐子。自身も2015年に佐橋のキャリアをCD3枚にまとめたコンピレーションをプロデュースしており、その深い知見が随所に光る。

「EN」がつなぐ40年

タイトルにある「EN(えん)」は、「縁」と「円」にかけたダブルミーニング。音楽を通じて繋がった人と人との関係性、そして時代を巡るように続いていくキャリアの円環がここにはある。

また、本文には40曲の解説だけでなく、幼少期から現在までをたどるバイオグラフィー、年表、愛用ギターコレクション、佐野元春やピーター・ゴールウェイとの対談も収録されている。いずれも彼の音楽観や人生観を浮かび上がらせる貴重なコンテンツである。

“知らないうちに聴いていた”あの音の正体

佐橋佳幸の名前を知らずとも、彼のギターの音はきっと誰もが耳にしている。イントロで惹きつけ、サビを包み込むあのコード、さりげないフレーズで情景を描き出すテクニック──それらは40年にわたってJ-POPを陰で支え、彩ってきた。

音楽好きはもちろん、90年代J-POPに青春を重ねたすべての人に手に取ってほしい、永久保存版の一冊である。

【書籍情報】
書名:佐橋佳幸の仕事 1983-2025 EN
著者:能地祐子
定価:2,750円(税込)
発売日:2025年5月20日
発行:株式会社リットーミュージック
商品情報ページ:
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3125351001/

【掲載コンテンツ(一部抜粋)】
・佐橋佳幸の「40曲」全解説(例:「TRUE LOVE」「硝子の少年」「風が吹いている」ほか)
・幼少期からのバイオグラフィー
・佐野元春、ピーター・ゴールウェイとの対談
・ギターコレクション紹介
・活動年表

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