音と魂が交差する夜へ ── 米津真浩、ラフマニノフの2大ソナタに挑む

ラフマニノフのソナタに「挑む」という言葉がこれほど似合うピアニストが、果たしてどれほどいるだろうか。
2025年8月16日(土)、銀座・王子ホールで開催される「米津真浩 ピアノリサイタル2025」は、ただのクラシック公演ではない。ラフマニノフが残した2つの難曲、ピアノ・ソナタ第1番と**第2番(1931年改訂版)**を一夜で演奏する、類を見ない試みだ。

第1番は、「ファウスト伝説」にインスパイアされたとされる40分近い大曲。作品を貫く緊迫感と構造美、そして凄まじい技巧は、演奏者の集中力と構築力を極限まで引き出す。
一方、第2番はラフマニノフの成熟期の筆によるもので、情熱と叙情、そして音楽的な洗練が高い次元で融合する傑作。作曲家自身が手を加えた1931年改訂版では、無駄が削ぎ落とされ、音の強度と詩情がより研ぎ澄まされている。

この“音の山脈”を登るのは、ピアニスト・米津真浩。東京音楽大学を卒業後、数々のコンクール受賞や国内外のオーケストラとの共演を重ね、演奏技術だけでなく深い音楽解釈で注目される存在だ。
ラフマニノフに対しては強い思い入れがあり、過去にはピアノ協奏曲第2番・第3番を一夜で演奏するなど、まさに“挑戦”を積み重ねてきたピアニストである。

米津の演奏は、単なる技巧の披露にとどまらない。楽譜の奥にある作曲家の「声」を探り、その精神性を現代に届けようとする姿勢が、聴き手の心を揺さぶる。今回のソナタ2作品においても、彼のピアノは作品に込められたドラマや哲学、そしてラフマニノフの心の陰影を立体的に描き出すことだろう。

会場は、銀座のクラシック専用ホールとして名高い王子ホール。ピアノの繊細なニュアンスまで丁寧に届けてくれるこの空間で、技巧と詩情が交差する特別な一夜が幕を開ける。

夏の銀座に響く、ロシアの巨匠の声と、それを現代に届けるひとりのピアニストの情熱。静と動、狂気と静寂、そのすべてをたたえたこの公演は、クラシックファンならずとも聴き逃せない。

公演概要

公演名: 米津真浩 ピアノリサイタル 2025
日時: 2025年8月16日(土)19:00開演(18:15開場)
会場: 王子ホール(東京都中央区銀座4-7-5)
出演: 米津真浩(ピアノ)

演奏予定曲目:
セルゲイ・ラフマニノフ:
・ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 作品28
・ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36(1931年改訂版)
※曲目は変更となる場合があります

チケット: 全席指定 5,500円(税込)/販売URL(teket)
発売開始: 2025年5月10日(土)13:00〜

主催: Avant
企画・制作: 株式会社タクティカート
お問い合わせ: concert@tacticart.co.jp|TEL:03-5579-6704

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!