SO-SOが刻む「JTの音」──将棋の駒、森、バレーがビートになる実験的MVが公開

音で企業の輪郭を描き出すプロジェクト「JT Rhythm Loop」第2弾が、5月8日に公開された。今回の主役は、世界的ヒューマンビートボクサーSO-SO。彼が挑んだのは、JTグループが関わる「将棋日本シリーズ」「JTの森」「JT男女バレーボールチーム」から収録された“環境音”を素材にした、まったく新しいビートの構築である。

本プロジェクトは、JTの事業にまつわる日常の「音」をサンプリングし、アーティスト独自の解釈で楽曲と映像に昇華するシリーズである。第1弾はtofubeatsが手がけ、今回はSO-SOが登場した。

将棋の駒が奏でる、空間的ビートの探求

SO-SOが最初に注目したのは、将棋の駒を指す音 ── 静寂の中に響く“カチッ”という音のリズムである。これを楽曲の土台に据え、バレーボールのラリー音や応援メガホンを叩く音、さらには「JTの森」で録音された自然音などを重ねていく。

ビートボクサーならではの立体的な音像設計も聴きどころの一つだ。左右に振り分けられた駒の音は、あたかも対局する棋士たちが音を奏でているような錯覚を生み、空間的な広がりを与える。前半は環境音をベースにした構築的展開、後半ではSO-SO特有のパワフルなビートボックスが炸裂するなど、実験性とポップさが共存する内容に仕上がっている。

YouTube映像ではメイキングも公開、制作の裏側に迫る

MVはJT公式YouTubeや特設サイトにて公開中。監督は音楽と映像の同期演出を得意とする新進気鋭の菱川太壱。サンプリングとカットアップを駆使した演出が、SO-SOのリズムに緻密に呼応する。

さらに、本作には制作の舞台裏を収録した特別映像も同時公開されており、将棋会場を訪れるSO-SOの様子や、スタジオでのサウンド構築、本人インタビューなどを収録。フィールドレコーディングから最終トラックへと至るクリエイティブの全貌が明かされている。


▶︎ 特設サイト:https://www.jti.co.jp/cw/rhythm-loop/index.html

サンプリング音楽の現在地としての「JT Rhythm Loop」

「JT Rhythm Loop」は今後も継続的に展開される予定であり、第3弾は5月22日に公開予定とのこと。第1弾tofubeats、第2弾SO-SOと続いたラインナップを見るに、今後もジャンルを越えたアーティストが起用される可能性は高い。

企業活動と音楽をつなぐという点において、本プロジェクトは一つの新しい地平を切り開いている。フィールドレコーディング、サウンドデザイン、ビートメイキング──そのすべてを横断する試みは、音楽ファンはもちろん、映像作家やインスタレーションに関心のある人々にとっても注目すべき試みである。

SO-SOは次のように語っている。

「今まで使ったことのない音で楽曲をつくるのが新鮮で、フィールドレコーディングから制作中も終始ワクワクしました!」

日常の音に耳を澄ませることで、まだ見ぬ音楽の地図が広がっていく──それを体現するのが、この「JT Rhythm Loop」なのだ。

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