[レポート]MURO率いるDJイベント〈DIGGIN’ THE KNOT〉、横浜にて開催 ── ホテルが紡ぐ音楽と食と街の結び目

4月20日(日)、横浜・THE KNOT YOKOHAMAにて、TOKYO FMの人気番組「MURO presents KING OF DIGGIN’」とのコラボレーションイベント「DIGGIN’ THE KNOT ~ SMOKE DOOR 3rd Anniversary」が開催された。会場は同ホテル1階の薪火レストラン「SMOKE DOOR」。その3周年を祝うアニバーサリーでもあった本イベントは、予約不要・入場無料のオープンなスタイルで実施され、週末の横浜に音楽と香ばしい薪の香りが心地よく混ざり合った。

「THE KNOT」というホテルブランドは、“旅と人と街の結び目”をコンセプトに掲げるライフスタイル・ホテルである。そのビジョンを、音楽と空間の力で体現した今回のイベントには、日本が誇る「King of Diggin’」ことMUROを筆頭に、MACKA-CHIN、JUNYA SHIMIZU、NORTHXSOUTHら気鋭のDJ陣が集結。すべてレコードオンリーのプレイというこだわりも相まって、会場にはアナログならではの温かく奥行きある音像が満ちていた。

薪火で調理されたスナックやドリンクもふるまわれ、子ども連れのファミリー層から音楽ファンまで、思い思いのスタイルで休日の午後を楽しむ姿が印象的であった。ホテルという公共性と私的空間が交差する場で、このようなカルチャーイベントが成立することの可能性は大きい。

イベントの起点となったのは、2023年にTHE KNOT TOKYO Shinjukuで開催された同番組とのコラボ企画。その縁を横浜、さらには広島へと広げていく取り組みは、音楽と街と人をつなぐ“KNOT”というブランドの象徴とも言える。いちごホテルリート投資法人が運営するTHE KNOT YOKOHAMAは、地域の文化資源とホテル空間とを結び直す拠点として、新たな都市体験を創出している。

一方で、イベントのもうひとつの主役である薪火レストラン「SMOKE DOOR」も注目すべき存在である。開業からわずか3年で、ホテルを訪れる大きな目的の一つとして定着。その裏には「他にはない店をつくる」という明確なビジョンと信念がある。サンフランシスコの三つ星レストラン「Saison」でエグゼクティブ・スーシェフを務めたTyler Burgesをシェフに迎え、薪火というプリミティブな調理法を用いた料理は、食を通じて文化と時間を紡いでいる。

「ホテルのダイニングは観光の受け皿であり、地域のハブである」というSMOKE DOORの言葉通り、イベント当日も地域の人々や観光客、音楽好きが自然と集い、文化的な交差点としての役割を存分に果たしていた。

音楽、食、ホテル、そして街 ── それぞれの要素が互いに響き合いながら、「DIGGIN’ THE KNOT」は横浜という街の今を体現するイベントとなった。カルチャーの担い手たちがレコードに針を落とし、薪火が柔らかく食材を包むその時間。そこには、消費ではない“体験”としてのラグジュアリーが確かに存在していた。

MURO presents「KING OF DIGGIN’」(TOKYO FM)

SMOKE DOOR

THE KNOT YOKOHAMA

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