[XXI LIVE〜Sunday Free Jam〜インタビュー]“完璧じゃない音”を抱きしめて ── 堂本剣人が鳴らす、リアルというライブ

渋谷のイベントスペース「XXI」にて、日曜日に不定期開催されている〈XXI LIVE〜Sunday Free Jam〉。ストリートを拠点に活動する若きミュージシャンやアーティストたちが集い、渋谷の週末にささやかな熱を灯すこのイベントは、“音楽に出会うきっかけの場”であり、日常からふと離れることのできる、優しい非日常の時間を提供してきた。今回、2月15日(日)の開催に向けてVETHELでは出演アーティストへのインタビューを実施。すでにシーンを揺らし始めている存在に、その現在地と音楽への思いを聞いた。

「ライブで観ないなんてナンセンスなアーティスト」。堂本剣人は、自身をそう言い切る。声とギター、ループステーションを操り、たったひとりで“バンドの音”を立ち上げるそのステージは、完璧さよりもリアルを重んじる場所だ。かつてはミスを恐れ、観客の顔も見られなかった彼が、ある失敗の夜に手渡された一枚のCDをきっかけに辿り着いたのは、「ライブとは、その日その瞬間にしか存在しない体験」だという確信。やり直しのない演奏、嘘のない自然体、そして初対面の誰かと“当たり前に再会する”ための音楽。渋谷XXIで交わされる、その一期一会のリアルに耳を澄ませたい。

堂本剣人:日本一ナチュラルにルーパーを使うシンガーソングライター。26歳から音楽を始めるというスロースタート。にも関わらず、その8ヶ月後に脱サラして「kento」として仙台で本格的にミュージシャンの道へ進むという見切り発車。2024年、軽自動車で北海道〜鹿児島を巡る全国ツアー(LIVE40本)を完走。同年12月仙台FLYING SUNでワンマンライブ開催。2025年に仙台から上京し、活動名を”堂本剣人”に改名。東北HAPPY HOLIDAY2026オーディションにてオーディエンス枠優勝。2626年2月22日には、都内初ワンマンライブを赤坂ネイビーフロアにて開催予定。

“完璧な演奏”ではなく“心動かされる演奏”を届ける

VETHEL まず、今の自分をアーティストとして表すとしたら、どんなタイプだと思いますか?

堂本剣人 ライブで観ないなんてナンセンスなアーティストだと思います(笑)。

VETHEL そう感じるようになったのは、どんな経験や出来事がきっかけでしたか?

堂本剣人 自分は活動を始めたときからずっとソロで、声・ギター・ループステーションを使った“ひとりなのにバンドの音がする”演奏をしています。最初は丁寧に演奏することばかり考えていましたが、そのころはお客さんの顔を全く見れない、誰に届けているのか自分でも分からないライブをしていました。それなのにいつまで経ってもミスが減らず、ライブも上達せず……ですが不思議なことに、重大なミスをした日に、嬉しそうにCDを買ってくれた方がいたのです。不思議に思って、なぜCDを買ってくれたのか聞くと、“今日はミスしちゃったみたいだけど、音源にはない一生懸命さが伝わったよ。今度会うときに備えて曲を覚えておきたいからCD頂戴”とのこと。泣きそうになりました。ライブとは、“失敗や間違いも含めて、お客さんも自分も一度しか体感できないこと”という考え方に辿り着き、お客さんに“完璧な演奏”ではなく“心動かされる演奏”を届けることを最優先にしようと思い至りました。

VETHEL 最初に自分から手に取ったのはどんなアルバムor楽曲ですか?

堂本剣人 宇多田ヒカルさんのアルバムだったと思います。父が大ファンで、その影響は多分に受けました。今でも大好きです。

“芝居は嘘、ライブは本当を届けるためにある”

VETHEL 音楽を始めたころと比べて、「ここは変わったな」と思う部分はありますか?

堂本剣人 ミスを許容する余裕と、お客さんとコミュニケーションを取るようなライブができるようになったと思います。自分にとってライブがどんなものか、自分のライブのどこに価値があるのか聞かれたときに、ちゃんと答えられるようにもなってきたと思っています。

VETHEL 逆に、昔からずっと変わらずに大事にしていることは何でしょうか?

堂本剣人 目を瞑って聴いたらバンドだと思ってもらえるくらい、曲の中でいかにナチュラルにルーパーを使うか、常に考えています。

VETHEL 曲を作るときやステージに立つとき、いちばん意識していることは何ですか?

堂本剣人 自然体でいることです。知り合いでシンガーソングライター兼役者をしている方がいるのですが、“芝居は嘘、ライブは本当を届けるためにある”と言っていて、とても共感したんですよね。その言葉を聞いてから、ステージの上では嘘無し、自然体をモットーにします。

XXIでたくさん出会ってたくさん再会したい

VETHEL あなたにとって「ライブ」とは、どんな場所だと思っていますか?

堂本剣人 “あなた”と出会うべくして出会って、当たり前に再会する、したい場所。

VETHEL その考え方がある中で、今回フリーライブに出演しようと思った理由を教えてください。

堂本剣人 XXIのフリーライブは年齢性別、人種すら超えて非常に間口が広いイベントなので、その日行かなければ一生会うこともなかったであろう誰かと出会う確率が高い。ここで奇跡的に出会った方々とまた当たり前に再会する場所としても最適だと思うので、XXIでたくさん出会ってたくさん再会したいと思ってます。

VETHEL チケットを買って来るライブとは違って、今日は通りすがりで足を止める人も多いと思います。そうした人たちに向けて、特に意識していることはありますか?

堂本剣人 歌を聴かせすぎない。逆に、MCで人となりを伝えたりお客さんと話す時間は惜しまない。初めて観てくれる人にとって、”初めて観るアーティストの、初めて聴くライブや楽曲”よりも意外と地元が近かったり、共通点や気になる話題を持つ人間の話や歌の方がしっかり記憶に残る気がします。

もちろん歌を届けることが手段ではありますが、自分がライブをする目的はあくまでもお客さんに感動を与えて、今日渋谷XXIに来て本当に良かった、と思ってもらうこと。それを、ステージに立ちながら心では隣に座っているような、寄り添うような気持ちでライブするように心掛けています。

時代が堂本剣人の方を向く日はもうすぐそこだと思っています

VETHEL 今回のステージは、どんな人に、どんな気持ちで聴いてもらえたらうれしいですか?

堂本剣人 初めて会う方にも記憶に残る、XXIに面白いライブをするアーティストがいるぞ!?と思ってもらえるステージを目指します。

VETHEL これから始まるライブで、「ここは注目してほしい」というポイントがあれば教えてください。

堂本剣人 リアルタイムで音が重なっていく様子をぜひ、目で聴いてほしいです。同期音源やAIは一切無し、クリック(メトロノーム)も聴かずに、要はその場でやり直し無しのレコーディングをしながら演奏をしています。時代を逆行する、“リアルしかない”演奏を、リアルでしか味わえない演奏を目撃してください。

VETHEL 今回ここで初めてあなたの音楽に触れる人に、何かひとつ持ち帰ってもらえるとしたら、どんなものがいいですか?

堂本剣人 ループステーションで録音した音よりも大きな声を出してもらって、一緒に歌いたいと思っています。ルーパーを超えて、一緒に声を重ねた記憶や経験を持ち帰って、それをまた頼りにして再会しにきてほしい。

VETHEL 最後に10年後にはどんなアーティストになっていたいですか?

堂本剣人 最前線で活躍、一躍有名になることは大前提。その上で、ライブでリアルを表現、演奏することができる素晴らしい才能を持っているアーティストが集まって、XXIのようにたくさんのお客さんと彼らが出会えるライブハウスを作りたいと思っています。まだまだ、想像の域は出ませんが。自分の実力、知名度がないと全く説得力のない構想ですね。でも、時代が堂本剣人の方を向く日はもうすぐそこだと思っています。そのタイミングで“ライブで観ないなんてナンセンスなアーティスト”界隈を、先人斬って創っていきたいと思っています。

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Interview & Text : VETHEL

2026年2月15日(日)、澁谷XXIにて<XXI LIVE〜Sunday Free Jam>開催

場所:渋谷XXI(https://shibuya-xxi.jp/

時間:13:00〜21:00

入場料:無料

出演:伊藤碧唯/堂本剣人/Magi Marcelo & the Little Ants.

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