“エコ・アンビエント”の到達点へ ── Green-House、Ghostly International移籍第一弾AL『Hinterlands』発表

ロサンゼルスを拠点に活動する“エコ・アンビエント”・デュオ、Green-Houseが、名門レーベル Ghostly International への移籍を発表。オリーブ・アルディゾーニとマイケル・フラナガンによる同ユニットは、新たな章の幕開けとなるニュー・アルバム『Hinterlands』を2026年3月20日にリリースする。あわせて、先行シングル「Farewell, Little Island」がミュージックビデオとともに公開された。

「幸福」や「喜び」を、音楽の中心に据えるという選択

前作『A Host for All Kinds of Life』(2023年)以降、Green-Houseが今作で明確に打ち出しているのは、「幸福」や「歓び」といった感情を、芸術表現の中で正当なものとして扱うという姿勢だ。アルディゾーニは本作について、「重く扱われがちな感情ではなく、音楽の中で自然に、そして誠実に表現したかった」と語る。

アンビエントという文脈にありながら、静謐さだけに留まらない感情の輪郭。その選択こそが、『Hinterlands』をこれまでの作品から一段引き上げている。

『Hinterlands』という“未踏の音響風景”

アルバムタイトルの「Hinterlands(ヒンターランド)」は、“人里離れた未踏の地”を意味する言葉。Green-Houseは本作で、都市と野生、有機体とデジタル、生楽器とシンセサイザーの境界を軽やかに横断しながら、これまで誰も足を踏み入れていない音の風景を描き出す。

Ghostly Internationalからの初リリースとなる本作では、よりアクティブでパーカッシブなアプローチが取り入れられ、インストゥルメンタル・ソングクラフトは一層洗練。ジャンルに縛られない自由な躍動感が、アルバム全体に息づいている。

二重螺旋のように絡み合う、ふたりの創作プロセス

Green-Houseの制作は、常に対話から生まれる。アルディゾーニがメロディを紡ぎ、フラナガンが倍音を構築することもあれば、その逆もある。アイデアは二重螺旋のように絡み合い、個々の要素を超えた深い響きへと昇華されていく。

そのプロセスは、周波数やテクスチャーが幾重にも重なり合う“音の迷彩”のようでもあり、Green-Houseという存在の核を形づくっている。

先行シングル「Farewell, Little Island」が描く、失われゆく風景

先行シングル「Farewell, Little Island」は、現代テクノロジーによって沈みゆく村を描いた、Sándor Reisenbüchlerによる短編アニメーション作品からタイトルを引用した楽曲。郷愁と静かな別れの感情を内包しながらも、音は決して悲観に沈まない。風景と記憶が溶け合うようなサウンドは、本作の世界観を象徴する入口となっている。

MVでは、ヨセミテの自然を舞台にした映像が用いられ、音楽と風景の共鳴が視覚的にも強く印象づけられる。

「アンビエント」の枠を越えていくGreen-Houseの現在地

Green-Houseの音楽は、ニューエイジ的なスピリチュアリティとは一線を画し、その構築美と密度はIDMや現代音楽の領域にも踏み込んでいる。それでも一貫して流れているのは、世界に対する開かれた好奇心と、驚きの感覚だ。

『Hinterlands』は、ただ耳を委ねるためのアルバムではない。この世界を、より鮮明に、より深く感じ取るための ── 新しい地図なのである。

リリース情報

Green-House『Hinterlands』
発売日:2026年3月20日
レーベル:PLANCHA / Ghostly International
フォーマット:CD
価格:2,200円+税
※ボーナス・トラック1曲収録予定
※解説付き予定

先行シングル
「Farewell, Little Island」配信中
Official Video 公開中

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