愛と喪失が静かに響く。映画『ハムネット』、ゴールデングローブ賞受賞 ── 新たなシーン写真とともに、その世界観が明らかに

シェイクスピアの“影”を描いた物語『ハムネット』とは

映画『ハムネット』は、ウィリアム・シェイクスピアの息子ハムネットの早逝と、その喪失を生きた家族の時間を描いた作品だ。原作はマギー・オファレルによる同名小説。歴史に名を残した偉大な作家ではなく、その“影”に生きた人々の感情に焦点を当てることで、文学史の裏側にある静かな人間ドラマを浮かび上がらせている。

ゴールデングローブ賞受賞が証明する、普遍的な物語性

本作は第◯回ゴールデングローブ賞において高い評価を受け、受賞を果たした。時代劇という枠に収まらず、愛する者を失う痛み、言葉にならない悲しみ、そして再生への微かな希望を描いた点が、国や文化を越えて共感を呼んだかたちだ。

静謐で抑制された演出と、感情を内側からにじませるような演技は、派手な演出に頼らない“語りかける映画”として、多くの観客と批評家の心を掴んでいる。

解禁されたシーン写真が映し出す、沈黙の感情

今回新たに解禁されたシーン写真では、登場人物たちの視線や距離感、光の差し込み方といった細部から、『ハムネット』が持つ独特の空気感が伝わってくる。

言葉を交わさずとも共有される感情、自然の中で流れる時間、家族という単位のもろさと強さ。写真一枚一枚が、映画全体のトーン──静かで、しかし確かに胸に残る感触──を象徴している。

“悲しみ”を消費しない映画という選択

『ハムネット』が特別なのは、悲劇をドラマチックに誇張しない点にある。
喪失は劇的な出来事ではなく、日常に静かに染み込み、時間とともに形を変えていくものとして描かれる。

それは現代を生きる私たちにとっても、決して過去の物語ではない。だからこそ、この映画は歴史劇でありながら、極めて現代的な感情の手触りを持っている。

日本公開に向けて高まる期待

ゴールデングローブ賞受賞という確かな評価とともに、シーン写真の解禁によって、その全貌が徐々に明らかになってきた映画『ハムネット』。
言葉よりも沈黙が雄弁に語るこの作品は、スクリーンでこそ体験されるべき一本だ。

愛する人を失ったあと、人はどう生きるのか──。
その問いを、静かに、しかし深く投げかけてくる。

『ハムネット』

2026年4月10日(金)公開

監督:クロエ・ジャオ

脚本:クロエ・ジャオ、マギー・オファーレル

製作:スティーヴン・スピルバーグ、サム・メンデス

出演:ジェシー・バックリー、ポール・メスカル、エミリー・ワトソン、ジョー・アルウィン

2025年/イギリス/1.78:1/126 分/カラー/英語/5.1ch/原題:HAMNET/⽇本語字幕翻訳:⾵間綾平/⽇本語字幕監修:河合祥⼀郎/映倫区分:G/配給:パルコ ユニバーサル映画 ©2025 FOCUS FEATURES LLC.

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