Dan Snaith、Daphni名義で新作『Butterfly』を発表

Caribouとの“自己共演”を果たした新曲公開、Rainbow Disco Club 2026出演も決定

カリブーとして知られるカナダ出身のプロデューサー/ミュージシャン、Dan Snaith がDaphni名義によるニュー・アルバム『Butterfly』を2026年2月6日にリリースする。レーベルは自身が主宰する〈Jiaolong〉、日本盤CDは〈PLANCHA〉から登場する。

本作は、2022年の『Cherry』以来となるフル・アルバム。前作はPitchforkで「今年もっとも楽しいダンス・レコード」と評され、“Best New Music”を獲得するなど高い評価を得たが、『Butterfly』はそこからさらに一歩踏み込み、“ダンスミュージックの地平線”を更新する作品となりそうだ。

Caribou × Daphni=Dan Snaith、“自己共演”がもたらす新境地

アルバム発表に合わせて、「Waiting So Long (feat. Caribou)」と「Lucky」の2曲が先行公開された。特に「Waiting So Long」は、カリブーとDaphni ── すなわち同一人物による“自己共演”というユニークな構造を持つ楽曲である。

Daphniとして初めて自らの声を使ったというこの曲について、Snaithは次のように語っている。

「“CaribouとDaphniの違いは?”とよく聞かれるけど、今回はその境界が自然と曖昧になった。“Waiting So Long”を作り始めたときはインストゥルメンタルだったが、作業中にメロディと歌詞が自然に浮かび上がったんだ。初めて“両方の名義に属している”と感じた瞬間だった。」

Caribouの繊細なメロディセンスと、Daphniの直感的なグルーヴが重なり合うこの曲は、Snaithの音楽的二面性を象徴するものと言えるだろう。

ダンスフロアの外縁で生まれる自由な音

もう一方の新曲「Lucky」は、Daphni特有の即興性と自由さに満ちたトラックである。クラブのメインフロアを狙ったものではなく、“少し道を外れた場所で突如現れる曲”とSnaithは表現する。その奔放さこそ、Daphniという名義の本質だ。

彼は本作全体について、こう語っている。

「Daphniの曲は基本的に自分のDJセットのために作っている。フェスや倉庫のような場所で“機能する音”を叩き込むのも好きだけど、アルバムではもっと広義の“ダンスミュージック”を意識した。奇妙な曲と機能的な曲を並べること、それこそが今も一番面白いんだ。」

アルバム終盤の制作時には、ドイツ・ヴッパータールのクラブ〈Open Ground〉で長時間のDJセットを敢行。現場で楽曲を試しながら仕上げたという。空間と人、音が混ざり合う中で磨かれたトラック群は、クラブカルチャーの“生きた実験”として鳴り響くはずだ。

新作『Butterfly』が描く“境界のないダンスミュージック”

『Butterfly』には、Daphni名義での初のボーカル曲を含む全17曲を収録。タイトルが示すように、音はひらひらと舞い、時に変態しながら、クラブとリスニング、機能と感情、構築と即興——そのすべてを行き来する。
Caribouで培った音楽的構築力と、Daphniのフロア感覚が交差する、Dan Snaithの現在地点がここにある。

Rainbow Disco Club 2026への出演も決定

さらに、アルバム・リリース直後の2026年4月には、Rainbow Disco Club 2026 への出演も決定。Antal & Hunee、Ben UFO、Floating Points、Gerd Jansonらと共に東伊豆の地でプレイする。Caribouの美学とDaphniの衝動が交錯するステージは、フェスのハイライトとなるだろう。

リリース情報

Daphni『Butterfly』
2026年2月6日発売
Label: PLANCHA / Jiaolong
Format: CD / Digital
価格: 2,200円+税
👉 配信リンクはこちら

※CDにはボーナストラック「Sad Piano House (Extended Mix)」を収録


Dan Snaithは、Caribouで内省的な美を描き、Daphniでクラブの熱狂を生む。
『Butterfly』は、その二つの世界がひとつに溶け合う瞬間を記録した作品である。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!