色彩と熱量が跳ねる──Ribguga、デビューEP『Brasil』でブラジル新世代の息吹を刻む

ブラジル地下ダンスシーンの現在地

ブラジル出身の新鋭プロデューサー Ribguga が、記念すべき Dirtybird レーベル20周年イヤーの一環として、デビューEP『Brasil』をリリースした。本作には同国のアクト Balanka と Carvalho (BR) が参加し、ブラジル特有のパーカッシブで躍動するリズムと、Dirtybirdらしいユーモアとねじれたベースグルーヴが交差する、現在のクラブシーンの“肌触り”をそのまま封じ込めている。

曲間に息づく、街と夜の脈動

「Talkin’ Too Much」は、Balankaの軽やかなボーカルと、跳ねるロウエンドが絡む、陽光にも夜の汗にも似た開放感のあるトラック。一方「President」は、Carvalho (BR) によるダークなテック・ニュアンスが加わり、ハードなテクノの重みとDirtybird定番のバウンスがスリリングに同居する仕上がりとなっている。明るさと陰影、祝祭と退廃──その両義性は、まさにブラジルのクラブシーンの空気そのものだ。

「次の波」を担う存在

Ribgugaは、クルーニー主宰 Hellbent や Nervous Records からのリリースで注目を集め、クラップトーン、ブロンディッシュ、Solardoらからもサポートを受ける存在へと成長している。今回のDirtybird参加は、彼が世界的クラブカルチャーの新しい潮流の中に位置付けられつつあることを示している。

また、Dirtybirdは2026年に向けて Flight Week Brazil と題したマルチシティ・ツアーを展開予定。Ribgugaは同ツアー内の Belo Horizonte公演(12月5日) に出演し、レーベルとともにブラジル音楽の現在と未来を現地から発信していく。

トラックリスト

  1. Talkin’ Too Much w/ Balanka
  2. President w/ Carvalho (BR)

レーベル、そして文化としてのDirtybird

2005年にスタートしたDirtybirdは、奇妙で豊かなユーモアと、ハウス〜テクノを横断する独自のグルーヴ感でシーンを形作ってきた重要レーベルである。CampoutフェスやBBQパーティなど、コミュニティと祝祭を軸とした活動を続け、20周年を迎えた今もなお、「楽しさ」を持ち込むことを恐れない数少ないダンスレーベルとして存在感を放つ。

Ribgugaの『Brasil』は、その精神に新鮮な息吹を加える作品である。音は軽やかで強く、街のざわめきのようにしなやかに跳ねる。これからのクラブシーンは、きっとここからまた面白くなる。


Ribguga『Brasil』配信中
https://dirtybirdrecs.ffm.to/brasil

Flight Week Brazil 情報
https://music.empi.re/brasil

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