雨上がりの匂いのように──クランカルーセル、11年ぶりのアルバム『Petrichor』が描く再生の物語

「Sonnentanz」から11年、待望の帰還

世界中のダンスフロアに“黄昏の高揚”をもたらした名曲「Sonnentanz(Sun Don’t Shine)」から約10年。オーストリアのデュオ“クランカルーセル”が、実に11年ぶりとなるニューアルバム『Petrichor』をリリースした。自身のレーベル Bias Beach Records から発表される本作は、前作『Netzwerk』が築いた世界的成功の先に、より深い内面と、より広い情景を響かせる作品である。タイトルの “Petrichor” は、雨上がりの大地の香りを意味する言葉。変化、再生、そして静かに始まる希望の象徴でもある。

高揚と内省、そのあわいを旅する全13曲

本作は、シネマティックなスケール感と、繊細な感情表現を行き来する構成が特徴である。

  • Truth Begins (feat. Blazey)
    映画的なアルペジオと抑制された高揚が、自己と向き合う瞬間を描く幕開け。MVには五輪金メダリスト Anna Gasser が出演。
  • Ride
    80sディスコを思わせる煌めきと無邪気な疾走感が解放を告げる、アルバム中でも最も軽やかな楽曲。
  • Cross The Border (feat. Bloom Twins)
    ウクライナでの家族の時間をめぐる、個人的かつ普遍的な祈りの物語。
  • The Tide (feat. Elmar)
    幽玄な歌声と水面のように揺れるプロダクションが、感情の底を静かに撫でる。
  • Sun Went Down, Sky Went Dark (feat. GIVVEN & Senes)
    メロディックとアフロハウスの要素が溶け合う、黄昏のエモーション。

参加アーティストも多彩で、Blazey、GIVVEN、Bloom Twins、Marieme などの声がこの旅を彩る。

“変わること”を肯定するアルバム

クランカルーセルは語る。

「『Petrichor』は、僕たちの世界を旅するような作品。
嵐のあとに訪れる、静かで美しい更新の瞬間を描いたんだ。」

かつてトロピカルハウスの先駆者としてダンスミュージックの潮流を変えた彼らは、今、映画的な情緒とクラブの脈動をひとつの物語として紡ぐアーティストへと進化した。

新章は“再びステージへ”

2026年には11年ぶりとなるライブショーの再始動が予定されている。クランカルーセルは再び世界のダンスフロアに帰還しようとしている。雨のあとに広がる空気の匂い ── その始まりを、いまもう一度感じるために。

リリース情報

  • アルバム:『Petrichor』
  • アーティスト:Klangkarussell
  • レーベル:Bias Beach Records
  • リリース日:2025年11月7日

Klangkarussell – Upcoming Shows

  • 11/14 Los Angeles / 1720
  • 11/16 San Francisco / Hotel VIA Rooftop
  • 11/20 Mexico City / LooLoo
  • 11/21 Seattle / Q Nightclub
  • 11/22 New York / Arlo Williamsburg Ballroom
  • 11/23 Miami / ZeyZey

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