過去と未来が交差するフロア──MRZ『Right Here』が描く“ハウスの原点回帰”

ロウな質感と温度感が交わる、4つの瞬間

フランスのDJ/プロデューサーMRZが、最新EP『Right Here』をEELF Recordsより11月7日にリリースする。本作は、クラシック・ハウスの精神を現代のアンダーグラウンド・サウンドへと接続する、全4曲構成のダンスミュージック作品である。
ロウな質感のビート、ソウルフルなサンプル、そしてアシッドなベースライン──どの要素も懐かしさと新鮮さを共存させ、まるで“今この瞬間”のハウスミュージックを体現している。

フロアを包む、感情のグルーヴ

リード曲「What You Do」(10月10日先行配信)は、感情的なパッドと303ベースラインが絡み合い、ソウルフルなヴォーカルサンプルが浮遊する一曲。オープニングにふさわしい柔らかな導入から、EP全体のトーンを決定づけている。
続く「Break Out」(10月24日先行配信)は、ブレイクビートとピアノリフが生む高揚感に満ち、90年代レイヴカルチャーのポジティブなエネルギーを再解釈したナンバーである。
「Don’t Look Back」では、UKブレイクスとソウルヴォーカルが交錯し、時代を超えるクラブ・ユーフォリアを描く。そしてラストを飾る「Something」は、ハウスラヴァーへの直接的なオマージュ。ドリーミーなパッドとローリングするベースラインの上に、“音楽と生きること”を語るスポークン・ヴォーカルが重なり、余韻の深いエンディングを迎える。

“踊る喜び”を忘れない、MRZという存在

MRZは、90年代からの影響を軸に、ハウスからテクノ、ソウルフルハウス、UKガラージ、ジャングル、フレンチタッチまでを自在に横断するアーティストである。その選曲とプロダクションには、音楽が本来持つ“人を笑顔にする力”が通底している。
これまでにフランス、アメリカ、日本、イギリス、ブルガリア、ルーマニア、スペイン、オランダ、スイスなど世界各地のクラブやフェスに出演し、国境を越えてフロアを揺らしてきた。現在はArkuda LabelやPleasure Promise Recordsなど複数のレーベルに所属し、EELF Recordsからの本作リリースでその活動はさらに拡張している。

“Right Here”──すべてはこの瞬間にある

『Right Here』というタイトルには、“音楽の核心は今この瞬間にある”というMRZの信念が込められている。アナログな温度を感じるロウハウスの質感と、現代的なクラブグルーヴ。その両者が交錯することで、ハウスミュージックの「現在地」を提示する一枚となった。

リリース情報

  • タイトル:『Right Here』
  • アーティスト:MRZ
  • レーベル:EELF Records
  • リリース日:2025年11月7日
  • トラックリスト:
     1. What You Do
     2. Break Out
     3. Don’t Look Back
     4. Something
  • 配信リンク:https://eelf.bandcamp.com/album/right-here

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過去と未来、記憶と現在──そのすべてが“Right Here(ここ)”に鳴っている。

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