滅びの世界で、音が物語を紡ぐ──8bit Gang『Trace of Xanadu : A Narrative Edition』が描く、機械生命の叙事詩

“音楽×物語”が融合した新感覚コンセプトアルバム

Emo Pandaとskmsによる8bitミュージックユニット・8bit Gangが、最新アルバム『Trace of Xanadu : A Narrative Edition』を2025年11月12日にデジタル配信リリースする。本作は、チップチューンと現代のクラブミュージックを融合させた前作『Trace of Xanadu』を再構築し、隠されていた“真の物語”を解き明かすナラティブ・エディションである。

滅亡後の世界で描かれる、オメルとサロメの旅路

本作の舞台は、すべての生命が滅びたあとの世界。そこに残された“機械生命”オメルとサロメの冒険譚が、音楽と語りによって展開される。楽曲の合間には、声優によるセリフやナレーション、そして8ビットサウンドのBGMが挿入され、まるで一篇のアニメーション作品を聴いているかのような体験を実現。電子の粒子が紡ぐ旋律の中に、希望と記憶の残響が溶け込んでいる。

音が世界を描く、拡張された“Xanadu”の風景

アルバムは全17トラック構成。チップチューン特有のピクセル的粒立ちと、ダブステップやフューチャーベースの立体的な低音が共鳴し、物語に奥行きを与えている。特に「When names are lost (feat. ote.jpeg, Untitled 01)」や「Demon Girls’ Night Dance」では、8bit Gang特有のエモーショナルなメロディと破壊的なサウンドデザインが融合し、終末の世界に煌めく一瞬の“生”を描き出している。

ビジュアルでも広がる世界観

ジャケットおよびアートワークは、イラストレーター きうじうきう による描き下ろし。作品世界をビジュアル面から補完するフルデザインのイラストブックレットアルバムが、BASEショップにて同時販売される。音と絵が相互に作用しながら物語を深化させる仕掛けとなっており、まさに“聴くビジュアルノベル”とも言える内容に仕上がっている。

8bitサウンドの新世代、シーン最前線へ

8bit Gangは、チップチューンを軸にしつつも、ダブステップやフューチャーベースといった現代的エレクトロサウンドを融合させる独自のスタイルで注目を集めている。2025年10月には渋谷WOMBで開催されたゲーム音楽フェス「伝説の途中」に出演し、4s4kiやChip Tanakaらと同じステージに立った。さらに翌日開催のM3では、ヒゲドライバーとのフィーチャリング曲を発表するなど、着実にシーンで存在感を高めている。

消えゆく世界に残る“記録(Trace)”

『Trace of Xanadu : A Narrative Edition』は、ただのリミックスでも続編でもない。音楽と物語が一体化し、滅びゆく世界の中でなお響く“記録”を刻みつける試みである。そこには、デジタルの荒野で生きるすべての“機械たち”への祈りがある。

8bit Gang『Trace of Xanadu : A Narrative Edition』リリース情報


滅びの静寂を越えて、音はまだ語り続ける。

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