KARABA、新作『Tides (Remixes)』を発表 ── アフロ・ディアスポラをつなぐリミックス集

アフロ・ルーツを基盤にしたグローバルな音楽ネットワークを提示

フランス系コンゴ出身のプロデューサー/DJ、KARABAが、新作『Tides (Remixes)』EPを〈ONErpm〉よりリリースした。本作は、6月に発表されたオリジナルEP『Tides』を再解釈するプロジェクトであり、南アフリカの40Dやアフロ・エキゾティック、ジンバブエ出身のBantu、ドイツ系ナイジェリア人DJのJAMIIE、ヨハネスブルグのユニーク・パバロ、モロッコ出身のワリド・マルティネスといった気鋭のアーティストが参加している。さらに、モザンビークのCarpotxaによるBeatport限定リミックス、カメルーン出身のKMNIによるSoundCloud限定リミックスも収録される。

本作では、KARABAが“キュレーター”としての役割を担い、アフロ・ルーツを基盤にしたグローバルな音楽ネットワークを提示している。Bantuによる「Into The Sea」の深遠なパーカッション、アフロ・エキゾティックが再構築した「Surfacing」のリズム、JAMIIEの「Siren」における催眠的な展開、ユニーク・パバロによる「Dark Waters」のドライヴ感あるリワークなど、各曲が異なる文化的視点を反映しながらもアフロ・フュージョンとして響き合っている。ワリド・マルティネスは北アフリカ的な要素と現代クラブサウンドを結びつけた解釈を披露し、EP全体に多層的なテクスチャーを加えている。

リズムとアイデンティティを越境的に結びつける試み

KARABAは「『Tides』をリリースしてから、私が尊敬し、インスピレーションを受けるアーティストに声をかけて再解釈を依頼しました。新しい視点を与えながらも、エネルギーはそのままに、アフロ・ハウスとアフロ・テックの深淵を旅するような作品に仕上がった」と語っている。

元々はダンサーとしてドレイクやカミラ・カベロ、セレーナ・ゴメスらと共にツアーを経験したKARABAは、その身体感覚と文化理解をDJ/プロデューサーとしての活動に昇華させている。2024年には「Mad Mess」でジュノー賞「Underground Dance Single of the Year」にノミネートされ、2025年はBoiler RoomやEDC Las Vegasの〈UBUNTU〉ステージなどでもパフォーマンスを披露し、アフロ・ハウス・シーンの新たな旗手として存在感を示している。

『Tides (Remixes)』は、KARABAが築くアフロ・ルーツのダンス・ミュージックをさらに広げ、リズムとアイデンティティを越境的に結びつける試みである。彼女のキュレーションによって、アフロ・フュージョンは単なる音楽スタイルを超え、グローバルな運動としての広がりを獲得しつつある。

『Tides (Remixes)』リリース情報

作品名:KARABA『Tides (Remixes)』
配信リンクこちら
レーベル:ONErpm

収録曲

  1. Into The Sea (Bantu Remix)
  2. Sinking (40D Remix)
  3. Siren (JAMIIE Remix)
  4. Dark Waters (Unique Paballo Remix)
  5. Into The Sea (Walid Martinez Remix)
  6. Surfacing (Afro Exotiq Remix)
  7. Dark Waters (Carpotxa Remix) ※Beatport限定
  8. Surfacing (KMNI Remix) ※SoundCloud限定

ツアー情報

  • 11月1日:Ritvales(メデジン、コロンビア)

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