
豊かな質感とメロディの温もりでリスナーを引き込む、きわめてパーソナルな作品
ベルリンを拠点とするプロデューサー/シンガーソングライター/マルチインストゥルメンタリスト、Monolinkが、3作目となるスタジオ・アルバム『The Beauty Of It All』を〈Embassy One〉からリリースした。全10曲で構成される本作は、内省と抑制を基調としながら、豊かな質感とメロディの温もりでリスナーを引き込む、きわめてパーソナルな作品である。
本作は派手な演出ではなく、感情の奥行きを静かに掘り下げることで成立している。喪失の痛みを描くオープニング「Call of the Void」から始まり、現代社会の疎外感をグリッチ・サウンドで表現した「Perfect World」、アコースティックとエレクトロニクスを融合させた「Powerful Play」など、多様なスタイルを横断しながら、喜びと悲しみ、記憶と変化といった対立的な感情を音像化する。
スイスアルプスで書かれた「Avalanche」や即興的な一発録りによる「In My Place」には、制作過程の生々しさが刻まれている。アナログのビートと内省的メロディが絡み合う「Mesmerized」、ピンク・フロイドの実験精神に触発された「Promised Land」、フォーク的な光を帯びた「Beacon」、そしてビートルズ的バラードから展開するラスト曲「Once I Understood」まで、アルバム全体が“感情の旅路”を提示する。
クラブ・カルチャーとコンサートホール双方を横断する稀有な存在
デビュー作『Amniotic』(2018)がオーガニックとエレクトロニクスの融合を提示し、続く『Under Darkening Skies』(2021)がよりダークでシネマティックな方向性を示したのに対し、『The Beauty Of It All』はその核心を凝縮した“純度の高い瞬間”を刻む作品となった。Monolinkは物語性とモダンなサウンドデザインを結びつけ、クラブ・カルチャーとコンサートホール双方を横断する稀有な存在として地位を確立している。
アルバムリリースに合わせて、ヨーロッパから北米に至る大規模ツアーもスタート。ベルリン、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスなど世界主要都市を巡り、ライブ・アクトとしての真価を発揮する予定である。
『The Beauty Of It All』は、今のMonolinkを記録するだけでなく、彼が辿ってきた道のりをも映し出す作品である。静けさと情熱、抑制と解放を行き来するその音楽は、リスナーに深い余韻を残すだろう。

『The Beauty Of It All』リリース情報
アルバム名:Monolink『The Beauty Of It All』
配信リンク:こちら
レーベル:Embassy One
収録曲:
- Call Of The Void
- Perfect World
- Powerful Play
- Avalanche
- In My Place
- Mesmerized
- Promised Land
- Beacon
- Phoenix
- Once I Understood
ツアー日程(一部抜粋)
- 10月10日:Zenith(ミュンヘン、ドイツ)
- 10月11日:Palladium(ケルン、ドイツ)
- 10月22日:Melkweg(アムステルダム、オランダ)
- 11月1日:Brixton Academy(ロンドン、UK)
- 11月21・22日:Uber Eats Music Hall(ベルリン、ドイツ)
- 11月28日:Razzmatazz(バルセロナ、スペイン)
- 2月14日:Brooklyn Paramount(ニューヨーク、米国)
- 2月27日:The Wiltern(ロサンゼルス、米国)
- 2月28日:The Warfield(サンフランシスコ、米国)
※全日程は公式サイトを参照。