ポール・カークブレンナー、新曲「DREAMING ON」 ── デペッシュ・モード「Dream On」へのオマージュ

2025年9月29日

単なるリメイクに留まらない、スタイリッシュで自律した進化形

ベルリンを拠点に活動するエレクトロニック・ミュージック界の巨匠、ポール・カークブレンナーが、新曲「DREAMING ON」をリリースした。本作は、7年ぶりとなるニューアルバム『THE ESSENCE』からの第3弾シングルであり、デペッシュ・モードが2001年に発表した「Dream On」へのオマージュとして制作されたもの。

「DREAMING ON」は、原曲のメランコリックな深みを引き継ぎつつ、カークブレンナー独自の有機的な温かみとミニマルなサウンドで再構築されている。浮遊感のあるフック、ストイックなグルーヴ、時間とともに少しずつ展開する繊細なテクスチャーが融合し、単なるリメイクに留まらない、スタイリッシュで自律した進化形として仕上がっている。アルバム『THE ESSENCE』の世界観に自然に溶け込む一曲である。

心から誇れるアルバムであり、過去最高の作品

数年にわたり制作された同アルバムは、ミッドセンチュリーモダンと70年代的ラグジュアリーを融合させた空間で形作られたという。カークブレンナーは「これは自分が心から誇れるアルバムであり、過去最高の作品だと思う。これまでのアルバムには必ず“つなぎ”の曲が2〜3曲あったが、今回は一切ない」と自信を語っている。

1977年生まれのカークブレンナーは、90年代初頭のレイヴ文化の中で音楽制作を始め、DJよりもライブパフォーマンスにこだわり続けてきた。代表作『Berlin Calling』やシングル「Sky & Sand」でアイコン的存在となり、トゥモローランドなどの大型フェスでのヘッドライナー、さらにはベルリンの壁崩壊記念式典で40万人を前にした公演など、クラブ・カルチャーと大舞台の橋渡しを果たしてきた。これまでに8枚のアルバムを発表し、エレクトロニック・ミュージックの境界を拡張し続けている。

『THE ESSENCE』は今秋、B1／Sony Musicよりリリース予定である。