天才ピアニスト、沈黙を越えて──映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』公開決定

19歳でショパン国際ピアノコンクール優勝。その圧倒的な才能で世界を魅了し、日本では“ブーニン・ブーム”と呼ばれる熱狂を巻き起こした天才ピアニスト、スタニスラフ・ブーニン。その輝かしいキャリアの裏にあった、苦悩と葛藤の軌跡を描くドキュメンタリー映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』が、2026年2月20日(金)に全国公開されることが決定した。

併せて解禁された特報映像では、ブーニン本人による撮り下ろしの「別れの曲」が披露され、9年間の沈黙を経て再び舞台に立つピアニストの姿が映し出される。公開は2025年9月26日(金)朝7時である。

天才の光と影──長い沈黙の理由

ブーニンは1985年、19歳の若さでショパン国際ピアノコンクールを制し、世界中を驚嘆させた。日本では社会現象とも言える熱狂を巻き起こし、CDやテレビ出演、写真集出版など、クラシック音楽の枠を超えた活躍を見せたが、2013年、突如として演奏活動を停止。度重なるケガや病に苦しみ、左足首の一部を切断するなど、困難な状況に直面した。

その後も懸命なリハビリを続け、2022年に舞台復帰。復帰公演はNHKのドキュメンタリー番組で密着取材され、大きな反響を呼んだ。今回の映画では、復帰までの長い沈黙期間と、それを乗り越えた再生の過程に密着し、ピアニストとしてのブーニンの内面に迫る。

音楽と人間──再生への旅路

映画では、2025年12月にサントリーホールで行われる最新演奏やインタビューも収録。妻・榮子との絆や、彼を敬愛する著名ピアニストたちの証言も交え、天才ピアニストが苦悩と葛藤の末に辿り着いた景色を描き出す。

監督は、中嶋梓。「長い沈黙を経て再びピアノに向かうブーニンの姿は、失われた時間を抱きしめるようだった」と語り、3年間にわたり再生の旅路に寄り添った経験を明かす。総合プロデューサーの小堺正記は、「様々な困難を乗り越える姿は、生きることや歳を取ることの意味を考えさせられる」とコメント。完璧でなくても美しい演奏を追求するブーニンの音色が、多くの人の心を揺さぶると確信している。

『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』最新情報

  • 公開日:2026年2月20日(金)
  • 監督:中嶋梓
  • 総合プロデューサー:小堺正記
  • 出演:スタニスラフ・ブーニン
  • 配給:KADOKAWA

また、ショパン国際ピアノコンクールを控える2025年秋には、八ヶ岳高原音楽堂を皮切りに「スタニスラフ・ブーニン ピアノ・リサイタルツアー2025」も予定されており、映画とともにその演奏にも注目が集まる。

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