伝説の反核ドキュメンタリー『アトミック・カフェ』最新4Kレストア版、国内初ブルーレイ化

戦後80年の節目に、1982年製作の米国ドキュメンタリー映画『アトミック・カフェ』が、最新4Kレストア版として国内初のブルーレイおよびDVD化される。発売日は2025年9月26日。

本作は、1940~50年代に米国政府や軍が制作した核兵器関連の広報映画やニュース映像をコラージュし、第二次世界大戦後のアメリカ社会と核への認識の変遷を描いた革新的ドキュメンタリーである。説明ナレーションを廃し、発掘されたフッテージをつなぎ合わせる手法は、同作の独創性を際立たせ、後のマイケル・ムーア監督作品にも多大な影響を与えた。

政府のプロパガンダと核の現実を暴く

劇中では、トリニティ実験、広島・長崎への原爆投下、ビキニ環礁の水爆実験、冷戦期の反共ヒステリーやローゼンバーグ夫妻の冤罪事件、第五福竜丸事件、さらには核シェルターのコマーシャルや子供向け教育アニメなど、多岐にわたる映像資料を収録。政府が核兵器や放射能について国民に刷り込んだイメージや恐怖が、いかに都合よく捻じ曲げられていたかを、ブラックユーモアを交えて描き出す。

音楽とカルチャーへの影響

1983年の日本公開時には大きな話題を呼び、「アトミックカフェ・フェスティバル」と題した反核・反原発をテーマにした音楽イベントが日比谷野外大音楽堂で開催された。出演アーティストはビッグネームが揃い、伝説的なフェスとなった。2011年の東日本大震災以降は、放射能問題を考える契機としてフジロック・フェスティバルでも復活し、現在に至るまで定期的に上映会や関連イベントが行われている。

『アトミック・カフェ』製品情報

ブルーレイ(品番:IVBD-1336、税抜5,800円)、DVD(品番:IVCF-5910、税抜4,800円)での発売。特典として作品解説ブックレットやオリジナル予告編を収録。

監督・製作はケヴィン・ラファティ、ジェイン・ローダー、ピアース・ラファティ。1983年ボストン映画批評家協会賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞、英国アカデミー賞フラハティ・ドキュメンタリー賞ノミネート歴を持つ。

核兵器とプロパガンダの歴史を、映像と編集の力で鮮烈に浮かび上がらせる『アトミック・カフェ』は、映画史上の金字塔であり、現代の観客にも鋭い問いを投げかける問題作である。

監督・製作:ケヴィン・ラファティ、ジェイン・ローダー、ピアース・ラファティ

1982年/アメリカ作品/モノクロ・カラー/本編87分/原題:THE ATOMIC CAFE

【受賞】1983年ボストン映画批評家協会賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞/1983年英国アカデミー賞フラハティ・ドキュメンタリー賞ノミネート

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【製品情報】

ブルーレイ 品番:IVBD-1336 価格:5,800円(税抜)

DVD 品番:IVCF-5910 価格:4,800円(税抜)

特典 作品解説ブックレット封入/オリジナル予告編収録

発売日 2025年9月26日(金)

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