
アートとデザインの文脈から葬送具を再解釈するブランド GRAVE TOKYO が、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二とのコラボレーション棺「GRAVE TOKYO × 双一 棺桶」を発表した。本作は伊藤潤二の「双一シリーズ」に登場する作品『棺桶』を題材とし、作中の扉絵や印象的なコマを外装・内装に大胆にデザイン。伊藤の美学と恐怖の表現が、GRAVE TOKYO の理念「人生の最期にこそ、夢と希望と喜びを」と融合し、棺そのものを人生最後の自己表現とする新たなアートプロダクトが誕生した。
販売は、伊勢丹新宿店本館6階アートギャラリーにて開催されるPOP UPイベント「JUNJI ITO Arts&Fashion Goods」にて、2025年10月1日から14日までの期間限定で行われる。価格は税込165万円、受注生産となる。
伊藤潤二の世界観を体現するディテール
今回のコラボ棺は、伊藤潤二自らの監修により制作。外装には漫画『棺桶』の扉絵を採用し、内側には物語に登場するコマを配置。黒い内装は「墨汁」による染色で仕上げられ、高級木材と特殊塗装による唯一無二の質感を持つ。火葬にも対応し、実際の葬儀に使用可能であるほか、コレクターズアイテムや生前葬の舞台装置としての価値も想定されている。さらに別売りの金具を用いることで、クローゼットとして日常的に使用することも可能である。

新しい「弔いの形」を提示
GRAVE TOKYO デザイナーの布施美佳子は、「死は忌避するものではなく、その人の人生を誇り、語るべき文化である」とコメント。結婚式と同様に葬儀もまた人生の大切なイベントであり、生前から自らの最期をデザインする選択肢を提示することが GRAVE TOKYO の使命であると語った。伊藤潤二とのコラボレーションは、棺がアートプロダクトへと進化する可能性を示す試みであり、「好きなもので自分の人生を表現したい」という人々に新たな選択肢を与えるものとなる。



GRAVE TOKYOについて
GRAVE TOKYO は2015年に骨壺ブランドとして始動し、2022年より棺をメインプロダクトに据えて再始動した葬儀具ブランドである。近年は入棺体験イベントや商業施設でのポップアップを通じて「人生の最期にこそ夢と希望と喜びを」という理念を広めており、2025年9月に行われたデヴィ夫人の生前葬でも同ブランドの棺が用いられ話題を呼んだ。
