国立新美術館 × 香港M+、初の協働企画展が開幕 ── 「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989–2010」

国立新美術館と香港のM+が初めてタッグを組んだ大型展覧会「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989–2010」が、9月3日より国立新美術館で開幕した。本展は昭和から平成へと移行し、冷戦終結やグローバル化が進行した1989年から2010年までの約20年を対象に、日本で生まれた多様な美術表現を再検証する試みである。

会田誠、村上隆、奈良美智、石内都、ダムタイプら国内外50組を超えるアーティストの作品を集め、複数の視点から時代と美術の関係を照射する。企画は両館の数年にわたる対話の成果であり、M+が培ってきた日本美術への深い理解を基盤に共同キュレーションが実現した。

社会・経済・政治・テクノロジーが大きく変動した時代における表現を振り返る本展は、国境や文化の差異を超えて交わることの意義を提示し、グローバリズムの価値を改めて問いかけるものである。

関連イベント

  • アーティスト・トーク(9月13日):森村泰昌、風間サチコ、フィオナ・タン、西京人らが登壇。
  • マシュー・バーニー《拘束のドローイング9》特別上映(10月25日):日本を舞台にした映像作品を一日限定で上映。
  • シンポジウム(11月7日):国内外の研究者やキュレーターによる討議。

開催概要

  • 会期:2025年9月3日(水)~12月8日(月)
  • 会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
  • 開館時間:10:00~18:00(金・土は20:00まで、入場は閉館30分前まで)
  • 休館日:毎週火曜(9/23は開館、翌24日休館)
  • 観覧料:一般2,000円、大学生1,000円、高校生500円

本展は戦後80年、そして大阪・関西万博から55年の節目を迎える2025年に開催される。日本美術の新たな見方を提案するとともに、現代を生きる私たちに「対話と理解に基づく未来」を問い直す展覧会である。

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