
段ボールや紙袋といった身近な素材を驚くべき精緻さで造形し、「カミロボ」作家として知られる安居智博の個展「MAX PARADOX」が、9月13日(土)より原宿の tHE GALLERY HARAJUKU にて開催される。会期は9月23日(火・祝)まで。
本展では、日常的なアイテムがアーティストの手によってヒーローへと変貌する過程が提示される。安居は油彩画にも活動の幅を広げており、今回の展示では立体と絵画の双方を通じて「存在の気配」をテーマにした新たな表現を探っている。
作家の視点:「存在の気配」と時間の関係
安居はステートメントの中で、「存在の気配」と作品制作にかける時間の関係性に注目していると語る。即興的に生み出される造形と、長い時間をかけて仕上げられる作品。それぞれが異なる「出会い方」をもたらすという。今回の展示は、そうした制作態度の変化を示す機会となる。
安居智博という存在
造形作家でありクリエイターの安居智博は、幼少期から紙工作を続け、「カミロボ」として知られる作品群で評価を得てきた。ニューヨーク近代美術館(MoMA)ストアでの作品販売や、Newsweek「世界が尊敬する日本人100」への選出など、国内外で注目を集める存在である。
キュレーター米原康正のコメント
本展を企画した米原康正は、安居について次のように述べる。
「特別な素材や高度な技術ではなく、誰もが手にする日用品から驚異的な作品をつくり出す。その姿勢はアートを遠い存在から引き寄せ、日常の延長に置き直す。安居の作品は、アートが私たちの暮らしのすぐそばにあることを思い出させてくれる」

開催概要
- 展覧会名:安居智博 個展「MAX PARADOX」
- 会場:tHE GALLERY HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前3丁目20-21 ベルウッド原宿1階-C)
- 会期:2025年9月13日(土)~9月23日(火・祝)
- 休廊日:9月16日(火)、17日(水)、22日(月)
- 時間:11:00~19:00
- オープニングレセプション:9月13日(土)18:00~20:00(安居在廊予定、入場自由)
安居智博の「MAX PARADOX」は、日常と非日常の境界を揺さぶる作品世界である。原宿というカルチャーの発信地で繰り広げられる展示は、アートの可能性を改めて問い直す契機となるであろう。