セス・トロクスラー&ビル・パトリック、新ポッドキャスト『Flirting With Friendship』始動

エレクトロニック・ミュージック界の異端児にしてカルチャーのキーパーソンであるセス・トロクスラーとビル・パトリックが、新たなポッドキャスト『Flirting With Friendship』をスタートさせた。記念すべきエピソード1は、すでにYouTube、Spotify、Apple Podcastsで公開されている。

この番組は、イビサにあるセスの両親のリビングルームを舞台に撮影され、観客を親密な深夜の語らいの場へと誘う。毎回多彩なゲストを迎え、哲学的な議論からナンセンスなユーモアまでが自在に飛び交う構成となっており、「存在論的アフターパーティ」と「文化的サロン」を融合させたかのような実験的な空間を創出している。

シーズン1にはロイシン・マーフィー、ダミアン・ラザラス、アーティストのフェリペ・パントーネ、デザイナーのマルセロ・ブーロン、そしてDJテニスら豪華ゲストが登場予定である。また、隔週で配信されるサブシリーズ「Pill-O-Talk」では、リスナーから寄せられた“友情の悩み”をもとに、2人が軽妙なやりとりで答える約20分の短編トークが展開される。

トロクスラーはデトロイト出身、ベルリンを拠点にキャリアを築き、現在はイビサとチューリッヒを拠点に活動。世界最大級のフェスから美術館でのアートインスタレーションまで横断し、ジャンルを超えた存在感を発揮している。一方、パトリックはNYクラブシーンからベルリンのアンダーグラウンドを経て活動を広げ、DJ/A&Rだけでなく写真家としても注目され、写真集『In Between』は即完売を記録した。

2人は20年来の盟友であり、その“愛ある罵り合い”を交えた軽妙な掛け合いも番組の醍醐味となっている。トロクスラーは「友情とは不完全さごと受け入れること。僕たちの関係性を楽しんでもらえたら」と語り、パトリックは「これは自己啓発じゃなく、誰もが持つ“微妙な選択”を笑い飛ばす場所だ」とコメントしている。

『Flirting With Friendship』は、レーベルStrataSonicによる初のポッドキャスト企画として制作され、カルチャーをダンスフロアの外でも紡ぎ出す試みである。今後、電子音楽ファンのみならず幅広いリスナーを巻き込み、友情とカルチャーをめぐる新たな対話の場となることは間違いない。

Watch/Listen: Flirting With Friendship

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!