
イタリア・リッチョーネの名門クラブ Cocoricò が、2025年9月20日(土)に今夏の最終公演を開催する。クロージングを飾るのはニューヨーク出身の人気デュオ“マルチネス・ブラザーズ”が主宰するパーティ・シリーズ 「Cuttin’ Headz」 である。世界各地で高い評価を得てきたこのイベントが、ピラミッド型の象徴的なメインフロアを舞台に、レーベルやコレクティヴの精神を体現するアーティストたちを迎えて繰り広げられる。

ピラミッドを彩るラインナップ
メインの Piramide には、マルチネス・ブラザーズに加え、フィレンツェ出身のDJ/プロデューサー“シルヴィ・ロト”が出演。彼女はTenaxやGoaでのレジデンシーを経て、CircolocoやMusic Onといった名イベントに登場し、NervousやBPitch Controlなどから作品を発表してきた。また、UK・バーミンガム拠点のフルー・ショアが90年代クラブカルチャーを背景にしたベース・ドリヴンなハウスを披露。さらにイタリアのブラック・ファンシーがCuttin’ HeadzからのEP『Obrigado』を携えて登場する。

実験性あふれるTitilla Jäger Garden
屋外の Titilla Jäger Garden では、コレクティヴの実験的側面が展開される。パリを拠点に活動するアライン・アンバーがモジュラー・エレクトロニクスと催眠的サウンドを融合させたライブセットを披露。さらにマンチェスター出身の注目株メイソン・メイナード、新鋭コールも加わり、多様なグルーヴが織りなす空間となる。

ハードテクノを鳴らすT-room by Riktus
一方、T-room はリスボンのクラブMinisterium発のアンダーグラウンド・パーティ Riktus がキュレーション。ロッテルダム出身の Cynthia Spiering がガバセットを展開し、ブラジルのマドソン・カーペンターがアシッドやインダストリアルを交えた高速テクノを披露。チェコと日本のデュオ RiVid はメロディック・ハードテクノからシュランツまでを融合し、マルタ出身21歳の MAMO が若き勢いでフロアを熱くする。

「Cuttin’ Headz」が描くクラブカルチャー
The Martinez Brothersが主宰する「Cuttin’ Headz」は、音楽的キュレーションに加え、ニューヨークのグラフィティ文化を取り入れたビジュアル面でも知られている。これまでイビサのDC10やロンドンのDrumshedsでの公演を成功させ、2024年には設立10周年を迎えて国際的なショーケースを展開。現在のアンダーグラウンド・シーンを牽引する存在となっている。
COCORICÒの2025年夏を締めくくるこの一夜は、ハウスからハードテクノまでを横断する贅沢な体験となり、ヨーロッパ・クラブカルチャーの現在を象徴するイベントとなるであろう。
